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No.766(2020.5.21)川内原発2号機、停止 テロ対策遅れ 2例目

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評価

 

九州電力は、原発2号機の運転を停止に追い込まれた。

テロ対策施設が期限内に完成しないためで、最新の知見で引き上げた基準を既存の原発にも適用する「バックフィット制度」で停止に追い込まれた。

完成の遅れで原発が止まるのは、川内1号機に続き全国で2例目。今後、関西電力や」四国電力への波及も見込まれる。

 テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」は、テロ攻撃を受けても遠隔で原子炉を制御するためのもので、東京電力福島第一原発 事故後の新規制基準で設置が義務づけられた。九電によると、施設は1、2号機で共用する部分が多いが、4月末時点で建屋の建設工事が約9割、設備や配管の工事が約7割終わっているという。

 2号機は今月21日が完成期限だったが間に合わず、「基準不適合」の状態になるため、運転を止めた。通常の定期検査も実施し、来年1月26日の運転再開をめざす。1号機は今年3月16日に停止しており、12月26日の再開をめざしている。

 2基の停止により、九電の業績への影響は避けられない。九電は、代わりに動かす火力発電所の燃料費負担が約250億円になると試算する。9月中旬から約2カ月間は玄海原発3号機(佐賀県)の定期検査も重なり、4基中1基しか原発を動かせない状況になる。

 

情報 《新聞報道より》2020.5.20付け『東京新聞

 

 九州電力は二十日、川内(せんだい)原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉が停止したと明らかにした。

 同日午前二時半ごろに停止作業を始め、午後零時四十九分に止まった。

 テロ対策で設置が義務付けられた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の完成が期限の二十一日に間に合わないため。特重施設の完成遅れによる原発停止は三月に運転を止めた川内1号機に続いて全国二例目。

 冷温停止状態には二十一日夜に到達予定。その後は特重施設建設と定期検査を同時に進め、来年一月二十六日の発電再開を目指す。

 二基ある川内原発は両方が停止し、九電は不足する電力は火力発電で補うため、電力供給に支障がないと説明する。追加の燃料費は約二百五十億円を見込み、九電の二〇二一年三月期連結決算を圧迫するのは必至だ。

 特重施設は、東京電力福島第一原発事故を踏まえて設置が義務化された。航空機を原子炉建屋に衝突させるようなテロ攻撃が起きた場合でも、放射性物質の放出を抑えられるように離れた場所に冷却ポンプや非常用電源などを備える。

 九電によると、川内2号機での工事進捗(しんちょく)率は四月末時点で、非常用電源など機械電気関連が七割程度、土木関連は九割程度。川内1、2号機の特重施設の建設費用は計約二千四百二十億円を見込む。

 今後は関西電力高浜原発福井県高浜町)でも、特重施設の完成が期限に間に合わないため原子炉の運転を停止予定だ。

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原発のテロ対策施設> 

 原発の原子炉建屋に航空機を衝突させるテロ攻撃が起きた場合、遠隔操作で原子炉に冷却水を注ぎ込むなどして放射性物質が漏れる重大事故の発生を防ぐための施設。

 正式名称は「特定重大事故等対処施設」。

 緊急時制御室や注水設備、電源設備などを備え、原子炉建屋との同時被災を避けるために100メートル程度離れた場所などに設ける。

 原発本体の工事計画の認可後、5年以内に設置することが義務付けられており、現時点で整備が完了した国内原発はない。