湘南Theoの平和のページ・ブログ

戦争と、貧困・抑圧・差別の構造的暴力がない社会実現のために!

No.752(2019.12.22) 紹介:中国残留婦人:貴重な語り


《紹介》

中国残留婦人 貴重な語り” という記事が、『東京新聞』2019.12.22 に掲載されており、考えさせられることが大きかったので、その概略と、関連のHP を紹介します。

(記事の抄録)

第二次世界大戦終戦時、旧満州中国東北部)で生死の境をさまよった中国残留孤児や残留婦人。・・・埼玉県川越市の元短大講師 藤沼敏子さん(66)が、証言集を出版した。・・・貴重な後述の歴史資料になっている。

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不条理を生き抜いて 残留婦人は、終戦時に十三才以上だったという理由で、「自分の意志で残った」と国からみなされ、五十年近く帰国支援がなされなかった。多くは国の移民政策である満蒙開拓団の一員として、貧しい農村から家族で満州に移った。・・・終戦直前、国は開拓団から男性を根こそぎ召集し、高齢者と女性、子どもだけが残された。・・・情報も途絶する中でソ連軍が侵攻してきて、逃避行が始まる。中国人の銃撃やソ連機の機銃掃射、集団自決などで多くの犠牲者が出た。食料のない山中では、老人や乳幼児が次々に亡くなった。歩けなくなったわが子を川に流す母親たちの姿を、複数の残留婦人が語っている。

たどり着いた収容所では飢えと冬の寒さ、感染症による死者が続出。朝起きると、隣に寝ていた肉親が死んでいた。遺体は掘った穴に積み上げられた。ソ連兵が若い女性を暴行目的で連れ去る事件も繰り返された。

収容所で死を待つしかなかった時、貧しさから嫁を迎えられない現地の農家に売られたり、引き取られたりして生き延びてきたのが国に「自由意志」とされた実態だ。現地の言葉で「トンヤンシー」と言われ、農作業や家族の世話を司、十代後半になると、その家の男性と結婚。貧しい農村で必死に生きてきた。

・・・埼玉県国際交流センターの日本語ボランテイア講座のコーデイネーターとして活動していた、冒頭に記載の藤沼敏子さんは1994年ごろ、帰国した残留婦人と親しくなり、インタビューを開始。膨大なビデオ映像を自身のホームページ「アーカイブス 中国残留孤児・残留婦人の証言で公開している。

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(以下、HPの紹介、ほか)

HP:アーカイブス : 中国残留孤児・残留婦人の証言 

(HPは、下記をクリックで表示されます。)

https://kikokusya.wixsite.com/kikokusya

(HP前文 では、次のように紹介されています。) (一部、当方で編集)

  

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 中国残留孤児・残留婦人等とその支援者、関係者の方々の協力を得て、200人前後の方にインタビューをさせていただきました。その中の中国残留婦人等(「中国残留邦人支援法」対象者。男性、サハリン残留邦人も含まれる。終戦時13歳以上だった方)34人のインタビューをまとめたものです。    

 彼女たちの経験が多くの方に読まれ、平和の尊さを伝えることができたら、ご自分の辛酸に満ちた不条理な人生を生き貫いてきた意義を、見出し、肯定することができるのではないかとの希望を持っています。

 このホームページでは、中国残留孤児・残留婦人・サハリン残留邦人のこれまで歩んできた道程を、インタビュー形式で録画した生の声を公開しています。

 残留孤児・残留婦人のこれまでの人生、悲しみや苦しみは記憶遺産として、今を生きる私たち世代が共有し、後世に伝えて行かなくてはならないと思います。彼らの語りの中から、満蒙開拓の実態も、その後の彼らを育ててくれた中国大陸の温かさ・厳しさの実態も、日本に帰国後の彼等のおかれた環境も、まずお一人お一人のライフヒストリーの語りから、一端でも知ることからはじめたい。そうして、加害の歴史・被害の歴史と向き合い、より良き未来を希求したいと思っております。

  教育現場のみならず、たくさんの戦争を知らない世代の方々に、彼らがどのような人生を生きてきたのか、生きざるを得なかったのか、肉声を聞いていただきたいと思います。 

 お一人のインタビュー時間はおおよそ1時間から2時間、長い方は5時間にのぼります。 一つのビデオは最長45分で切れますが、①②、、、と、順番に聞いていただければ、お一人の語り、すべてを聞くことができます。 」