湘南Theoの平和のページ・ブログ

戦争と、貧困・抑圧・差別の構造的暴力がない社会実現のために!

No.736(2019.9.4)他国の歴史認識を知ること

紹介

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・「歴史教育者協議会」というところでは、すべての子どもたちが主権者として育っていけるような、楽しくわかる社会科の授業づくりと、地域の民衆の生活と歴史を掘りおこし、深く歴史と現代を学ぶ活動をすすめておられます。

 過去の誤った歴史教育軍国主義ファシズムの柱になっていたとの反省から、歴史関係の学者や教職員らによって、1949年に設立され、全国の各支部では互いに学び、実践教育を行い、中国や韓国の教員との交流もあるそうです。

 ※ねらい

第一に、戦前の歴史教育が神話に始まる天皇中心の歴史を教えることを通じて、無謀な戦争に国民を動員するうえで大きな役割を演じてきたことに対する痛切な反省にたっていること。

第二に、戦後のアメリカ直輸入の社会科が、身のまわりのことを断片的、実用的に学ぶだけで、結局は現状を無批判にうけとめるような社会科にしかなっていなかったことに対し、子どもたちが日本の主権者として、社会のしくみをきちんと学び正当な批判力をもってほしいという願いにたっていること。

第三に、そのためには、真理、真実にたった科学的系統的な歴史教育が必要だという事。それは、支配者の都合でゆがめられた歴史ではなく、民衆の立場からみた、民衆のねがいの実現を展望するような歴史教育であるという思いにたっていること。

 

歴史教育者協議会ウェブサイト : https://www.rekkyo.org/ 

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(2019.8)の『東京新聞』コラムに、次のような紹介がありました。(要旨)

 憲法九条改憲が真実味を帯び、日韓関係も悪化が懸念される中、歴史認識の重要性がますます高まっている。そのような中での歴史認識と教育の大切さ。

      他国の歴史認識を互いに知ることの大切さ。

(1)なぜ歴史認識が重要なのか?

・歴史は、自分たちが体験していないことから学べる人間の英知。

 なぜ今の平和憲法ができて大切に継承されてきたのか。それだけ繰り返してはいけないことが過去にあったという事。歴史認識とは国際理解でもある。

 同じ事象でも、立場によって伝えられ方は異なる。

 戦争で言えば、加害側と被害側。8・15は日本人にとっては終戦の日だが、(反面)韓国人から見れば植民地支配からの解放の日という位置づけになる。

 どちらが正しいかではなく、他者の歴史認識を知ろうとしなければ、相互理解が進まず、対立が深まるだけ。

(2)歴史認識で注意すべきこと

 歴史上、何が起きたのかをきちんと掘り起こすことが大事。(たとえば)原爆のきのこ雲の写真に対し、日本人は悲惨な光景を連想するが、米国の中には戦争を終わらせた平和の象徴と捉える人もいる。アジアでは解放の象徴とみられることもある。

 そういう認識もあるという事を知ることが重要。

(3)教育と歴史認識のかかわりについて

 他者の歴史認識を取り上げていくのが教育の役割。

 他者の視点を踏まえて多角的に歴史を学んでいかないと、戦争でも「当時は仕方なかった」と過去に肯定的な見方だけをしていては、歴史には何も学ぶところがなく、未来にもつながらない。

(4)歴史修正主義の強まりが懸念されている

 歴史修正主義は、歴史の一部分を強調し、結果として事実と違うことを主張するのが特徴。

 インターネットで検索しただけで分ったつもりになる若者が増えるなど、教養のあり方が崩れてきているのがまん延の一因でもある。

(5)地域で歴史に触れるにはどうすればいいか

 核家族化も進み、家庭内で歴史が伝えられる機会は減った。

 地域には資料や石碑などが残っている。そうしたものに触れて地元の歴史を学ぶこともできる。視野を広げる契機になる。

 

  (生徒同士の、他国との学習交流会の一例)

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 (参考)

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