湘南Theoの平和のページ・ブログ

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N0.746(2019.10.18)憲法と日本会議

 日本会議)という大きな組織をご存知だと思います

 そのHP(http://www.nipponkaigi.org/about)には、設立趣意書で次のように書かれています。

 【私達「日本会議」は、前身団体である「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」とが統合し、平成 9 年 5 月 30 日に設立された全国に草の根ネットワークをもつ国民運動団体です。・・・私達の国民運動は、これまでに、・・・・教育の正常化 や歴史教科書の編纂事業、・・・自衛隊PKO活動への支援、伝統に基づく国家理念を提唱した新憲法の提唱など、30有余年にわたり正しい日本の進路を求めて力強い国民運動を全国において展開してきました。・・・・】    

この組織の活動の焦点は今、(改憲)にあります。

 (日本会議)の日々の改憲運動別働隊といわれている(美しい日本の憲法 をつくる国民の会)の基本方針は、自民党の運動方針と酷似しています。

(国民の会)が中心になって行なってきた1000万人賛同者署名

 特徴的なのは、神社庁と連携して行っている、初詣や七五 三ほかの神社に集う人々からの改憲署名。よく仕組まれているのが、その署名簿には電話番号書き込み欄まであって、はっ きりと、 (・・・頂いた名簿は、憲法改正を実現のため情報提供や国民投票の際の呼びかけなどで活用させて頂きます。・・・) とあります。

 (霊験あらたかな神社)でのお参りの場だからつい署名してしまう。うまく利用される仕掛けができています。    (日本会議)について多くの本が出されていますが、二冊を紹介します。合わせ読むと理解が深まりました。  

日本会議の研究』菅野完 著  扶桑社新書  2016/5  ¥800  

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 著者は、右翼を自称しつつ、日本会議自民党などの保守勢力を批判する理由について、「本当の右 翼はクニのことを考えるもの。(クニ(nation)を国家(state)の横暴から守るのが右翼の仕事。  しかし彼ら(日本会議など)は state のことしか言わない」と述べている。自称右翼の著者から見 た、日本会議の分析と批判の書。 (70年安保の時代に淵源を持つ、安藤巌、椛島有三、衛藤 晟一、百地章、・・・といった、「一群 の人々」は、あの時代から休むことなく運動を続け・・・今、安部政権を支えながら、悲願達成に 王手をかけた。この間、彼らは、頻繁にデモを行い、勉強会を開催し、陳情活動を行い、署名集め をしてきた。・・・その地道な市民活動が今、「改憲」という結実を迎えようとしている・・・) (むすびの章より)   

    

(第一章)日本会議とは何か 

(第二章) 歴史 (第三章)憲法    

(第三章) 憲法

(第四章) 草の根

(第五章)「一群の人々」    

(第六章) 淵源

  

日本会議とは何か』上杉聰 著  合同出版 2016/5  ¥1000  

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 ナショナリズム・排外主義が世界中に再び蔓延しつつある中で、現在の日本の政治の焦点は最終的 に(憲法改正)に収斂するでしょう。

 その「改憲の推進勢力母体」は、必ずしも自民党本体でもないといわれます。「改憲の推進勢力」は、自民党員の積極的改憲論者の中には隠れて見えにくい政治のウラの世界。特にそれが宗教団体だと厄介なことになる。  

 表向き、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」と称してはいるものの、実態は宗教団体の連合体である「日本会議」。会員は3~4万人の個人を除いて、(神社本庁霊友会念法眞教日本青年協議会ほか、それらと協同する、英霊にこたえる会日本青年会議所 など。)

 本書は、その組織の実態と論理・手法・政権との関係をつまびらかに説明してくれています。

(第1章)改憲の推進勢力---日本会議の実態   

(第2章)日本会議とはどんな組織か

(第3章)押しつけ憲法論と憲法第9条の真実    

(第4章)日本会議の教科書運動

(第5章)育鵬社は大阪でどのようにして大量採択を実現したか