前川喜平氏(現代教育行政研究会代表)が、(緊急閣僚会議)の茶番について、痛快に批判しておられるので紹介します。
(2019.6.2 『東京新聞』本音のコラムより。(画像は、当方が挿入しました。))
「川崎・登戸で起きた小学生ら二十人殺傷事件。悲しい思いがこみ上げる。
だが政権は、このような事件も自らの支持拡大に利用する。人々の憤りに訴え、悲しみに取り入る行動をとるのだ。
「緊急閣僚会議」の開催はその典型的な手法だ。
事件翌日の5月29日、安倍晋三首相は緊急閣僚会議を開き、「強い憤りを覚える」
「安全を何としても守らなければならない」「政府一丸となって早急に取り組む」などと発言。
テレビも新聞も大きく報道した。こうした緊急閣僚会議は、悲惨な事件が起きるたびに催される恒例行事のようになっている。
2016年の津久井やまゆり園事件後の閣僚会議では、安倍首相が「断じて許せない」「内閣一丸となって対応する」と発言。
2018年の結愛(ゆあ)ちゃん事件後の閣僚会議では「こんな痛ましい出来事を繰り返してはならない」「命を守ることを何よりも第一に、すべての行政機関があらゆる手段を尽くす」と語った。
その10カ月後、心愛(みあ)ちゃん事件が発覚するとまた閣僚会議を開き「虐待の根絶に向けて総力を挙げる」「あらゆる手段を講じて子どもたちを守る」と述べた。
かっこいい台詞(せりふ)はすべて閣僚の作文。首相はそれを読んでいるだけだ。
心にもない芝居。国民に「やってる感」を植え付ける見せ物。それが緊急閣僚会議なのである。」