湘南Theoの平和のページ・ブログ

戦争と、貧困・抑圧・差別の構造的暴力がない社会実現のために!

N0.644(2019.4.4)紹介:『やっぱりいらない東京オリンピック』(岩波ブックレット)

             No.644(2019.4.4)

 《紹介》              

   やっぱりいらない東京オリンピック

        (岩波ブックレット993)

 

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      やっぱりいらない東京オリンピック (岩波ブックレット)

        小笠原 博毅山本 敦久 | 2019/2/6
       単行本 ¥562

 少し立ち止まり、もう1回オリンピックが日本社会に及ぼしている/及ぼすであろう影響についてしっかり考える基本的な材料を提供する。

 これが本ブックレットの目指すところである。

 具体的には、2013年の招致決定以降噴出している諸問題を、

 ①東日本大震災からの「復興」と経済、

 ②参加と感動、

 ③暴力とコンプライアンス法令遵守)、

 ④言論の自主統制と社会のコントロール

という4側面から、事実を網羅し、問題点を一つひとつ顕彰する。

 そして2020年東京大会に関する新規で真剣な議論を喚起しながら、オリンピック開催を批判する論点と材料を読者に提供していく。(はじめにより)

 1-5 「どうせやるなら派」と責任の空洞化

招致や開催に批判的であった人が、もう「後戻りできない」のだから、「新しい発想で」、「別の楽しみ方を」と言い出す。そういう人たち=「どうせやるなら派」は、2020年東京大会の矛盾や問題を覆い隠すだけでなく、むしろ開催の推進力となる。こうした機運は、オリンピックがグローバル資本主義の巨大な見世物への変質の道程と親和性がある。

2-3 オリンピックと参加型権力

合計11万人をつのるオリンピックボランティアには参加型権力のレトリックがある。ナチスによって主導されたベルリン大会における「動員」は、上から国民を統合する動員と、自分から積極的にファシズムに貢献するように振舞う下からのファシズムがある。それこそが、ベルリン大会を盛り上げた「歓喜力行団」を通じた「奉仕」活動である。東京大会のボランティア活動にも、同様の仕組みがある。

4-1 元アスリートからのSOS

ほとんどのアスリートが言いたいこともあると思うし、意見もあるとおもう。アスリートは協会に属し、そこで育ててもらい、皆さんの応援を受けて競技に没頭することが使命。その現場(協会)を多少なりとも触発するようなことはできない。その気持ちは汲んでもらいたい。心から願うのは・・・オリンピックが、皆さんの負の要素のきっかけに思われるようなことは・・・本望ではありません。(有森裕子さん発言)

No.643(2019.4.3)白井聡氏の「天皇国体」翼賛の『国体論』批判(試論)

              No.643(2019.4.3)

 《意見紹介》 

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                             (初版:2018.4.22 集英社新書 940円) 

 

 ある友人が、今論壇で高く評価されている白井聡氏の論調に対して、試論として、批判的見地で論稿を寄せられているので、紹介したい。

 私も、今回の ”元号” 改定を機に、ますますこの白井聡氏の、「天皇制」という民主主義に反する枠組みのなかでの、ある種の倒錯の論理の展開として批判すべきものと考えます。

 

  白井聡氏の「天皇国体」翼賛の『国体論』: 批判

 

 前著『永続敗戦論』で一躍有名になった白井聡氏の新著「国体論 菊と星条旗」(2018.4)がよく売れている。

  この書は、明仁の「生前退位のおことば」を持ち上げ、同時に反米と反安倍のアジテーションの書である。それによるのか、護憲や平和の集会で白井氏は講演を行っている。

 この書は日本の戦前の国体の変遷と戦後を対比させ、戦前は天皇制国家が「(菊の)国体」であり日本を破滅に導いた。

 戦後は天皇制支配が、アメリカ支配に変化し「国体」は「(星条旗の)国体」として維持されてきた。

 その戦後の「国体」の段階を「アメリカの日本」「アメリカなき日本」「日本のアメリカ」の3段階として規定する。

 そして今、「日本のアメリカ」段階が日本を破滅に導こうとしているとする。

白井氏の反米・反安倍は何か?

 白井氏は、

「日本の対米従属の問題性の核心は、日米安保条約でもなければ、大規模な米軍基地が国土に置かれていることでもない。日米間の国力格差も本質ではない」

「ただひとつの結論とは、日本は独立国ではなく、そうありたいという意志すらを持っておらず、かつそのような現状を否認している、と言う事実である。」

と結論づける。そして、

「本物の奴隷とは、奴隷である状態をこの上なく素晴らしいと考え、自らが奴隷であることを否認する奴隷である」

「こうした卑しいメンタリティが、安倍政権が長期化する中で、疫病のように広がってきた」

と慨嘆する。ここで白井氏は対米従属した日本人の「卑しいメンタリティ」を強調するが、天皇に従属し媚び諂う日本人の「卑しいメンタリティ」については触れない。

そして明仁については「あの常のごとく穏やかな姿には、同時に烈しさが滲みだしていた」と共感して、「日本人の霊的一体性」の強調につながっていく。

ここでは紙面がないので、同書の後半の天皇を翼賛する結論部分についての批判を行いたい。

歴史の転換と「天皇の言葉」

 白井氏は、明仁の「お言葉」に異様に反応し、

「『お言葉』は、歴史の転換を画する言葉となりうるものである」とする。

後醍醐天皇の倒幕の綸旨、孝明天皇の攘夷決行の命令、明治天皇の5箇条の御誓文、昭和天皇玉音放送

の系譜に連なるものとして、それを聞けたことを、まるで楠正成や新田義貞、幕末の尊皇志士になったかのように感激する。

そして

「腐朽した『戦後の国体』が国家と社会、そして国民の精神をも破綻へ導きつつある時、天皇がそれに待ったをかける行為=「天皇による天皇制批判」に出たのである」

と評価し、

「『象徴』による国民統合作用が繰り返し言及されたことによって」

アメリカを事実上の天皇と仰ぐ国体において、日本人は霊的一体性を本当に保つこととが出来るのか」

「それでいいのか」

と反芻する。

「お言葉」の可能性を現実に転化する民衆の力

「お言葉」にある種の霊的権威を認めていることを述べた上で、天皇の今回の決断に対する人間としての共感と敬意から、天皇の呼び掛けに応答せねばと感じたとして、白井氏は同書の最後の4行で次のように記述する。

「お言葉」が歴史的転換を画するものでありうるということは、その可能性を持つということ、言い換えれば、潜在的にそうであるにすぎない。その潜在性・可能性を現実態に転化することができるのは、民衆の力だけである。民主主義とは、その力の発動に与えられた名前である。

白井氏は、ついに「天皇制」という民主主義に反する枠組みのなかで、天皇の言葉に依拠して民主主義を闘い取るということを民衆に呼び掛けるのである。全くの倒錯の論理である。

天皇を「国民統合の象徴」として共同体を主張する民族排外主義

憲法違反の「お言葉」を糾弾せずに、大時代的な感激を表明し、「『象徴』による国民の統合」「日本人の霊的一体性」を強調するこの書は、まさに「反米民族主義」の主張である。

1月26日の東京新聞での朝倉論説委員との対話記事では、「対米従属による社会の荒廃について、天皇の言葉に再生の可能性を見出しているように読めました」との問いに対して、白井氏は「お言葉では、天皇とは『国民統合の象徴』だという点が強調された。

国民の統合とは、日本国民という共同体のみんなが助け合い、仲良く暮らすことだと思います」と答えている。

この天皇を象徴とする「日本国民という共同体」とは、在日朝鮮・韓国人、中国人など他民族を排除した「神国日本の臣民の共同体」そのものであろう。

                   

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                (『東京新聞』2019/1/26記事)

 

 
   

 

大阪ダブル選挙 批判

               No.642(2019.4.2)

 《紹介・批判》

 親友が、3・11フクシマ原発事故以来毎月二回発行しているパンフレット:
  脱原発放射能汚染を考える』No.192から、下記の注目記事を紹介します。
                          (部分転載承認済み。拡散希望です。) 

 (注)パンフレット全体を大きく見るには、下をクリックしてください。

                                                         

                                                No. 192 

                  『脱原発・放射能汚染を考える』No.192 

 

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2015年に多数の市民によって否決された「大阪都構想」を、維新の会は再燃さ

せ、公明党と裏取引で再投票を決めようとしたが、法定協議で否決された。すると

知事・市長が勝手に辞職し、市議選・府議選の選挙活動に利用するという自分勝

手な対応を行った。今度こそ、維新の府政・市政を終わりにしたいものである。 

前回の「大阪都構想」市民投票でも反対運動を理論的に支えた森浩之氏が、雑誌「世界」4月号に論文を掲載。維新による市民の分断を超えて、共に暮らす仲間として寄り添うことで、包摂都市に変わることを主張している。

 

維新政治による市民の分断/勝ち組の弱者への怨嗟

 

前回の住民投票では、反対が賛成を上回り、大阪市は廃止・分割されることを免れた。しかしこの選挙結果は、維新政治による深刻な状況を如実に示すものとなった。

それは市民の間に広がった分断状況を示した。研究によれば、「大阪都構想」について「大阪市が廃止されて消滅する」と正しい認識を持った割合は8.7%に過ぎず、特に賛成派では2%すぎない。

すなわち「都構想」はほとんど理解されないまま住民投票が実施された。

賛成派は「都構想」の内容の是非でなく、維新政治の改革方向=新自由主義的理念と橋下元維新代表の政治手法に魅力を感じて投票したと考えられる。

賛成派が多数を占めた北区などは高所得者が多く、社会的弱者への怨嗟を増幅させてきた維新政治の本質であった。

 

大阪都構想」の再燃と虚妄/財政効果はゼロ

 

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前回の「都構想」でも2 重行政の廃止による財政効果は大阪府・市を併せても年間数億で、逆に初期コストが680 億、年間コストが15 億と言われた。

今回の「都構想」については、大阪府・市は140 億の財政効果を示すが、そのほとんどは民営化、民間委託、経費削減で、それらを除外すると4000万程度で、大阪市分はゼロである。 

逆に必要となる大阪市の財政負担は、初期520億円、年間コスト24億円である。

もはや「都構想」は財政的には検討に値するものではない。

 

万博・カジノの財政問題大阪市の巨大な財政負担 

 

今回の「都構想」再燃の契機は、万博の大阪開催(2025)であった。

万博会場としては旧万博会場、旧花博会場が予定されていたが、松井前知事によって「夢洲」が会場とされた。

まだ埋め立てが必要であり、土地造成やインフラの整備だけで950億円が大阪市の負担とされる。そして会場建設費1250億円の3分の1が地元負担となる。

それだけでなく、「夢洲」には公認賭博場=カジノを含むIR の誘致と建設が予定されている。

 

財政民主主義からみた大阪の自治 

 

今回の「都構想」の内実は、大阪市大阪府の財政悪化を招くものでしかない。2025年に予定される大阪万博は「夢洲」での巨大開発を引き起こし、大阪市に膨大な財政負担を強いる。

夢洲」開発などの「巨大開発事業」は、大阪市にとって巨大な財政リスクとなる。

大阪市財政は社会保障費、公債返却などの義務的支出が増大している。

市民間の分断を超えた批判が成り立つはずである。

市民として共に暮らす仲間へ寄り添う気持ちを取り戻し、大阪の財政をその観点から再検討すべきである。

沖縄関連ブログの紹介

               No.641(2019.4.1)

 《紹介》 

 沖縄の現実をもっとよく知り、理解するために、良い情報源に巡り合えたので紹介します。

  「沖縄に関するフェイクを独自検証し、デマを糾弾するブログメディア」

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          ブログ:『Osprey Fuan Club』

                (オスプレイ 不安 クラブ)

                    ⇩

            http://ospreyfuanclub.hatenablog.com/

         是非、上記URLから入っていただきたいのです。

 (紹介文)(3/26付 掲載文)

三度の知事選と県民投票で圧倒的に示された民意を切り捨て、辺野古新基地建設につっぱしる安倍政権。 

 辺野古だけではない、嘉手納、普天間八重山自衛隊駐屯地と、1人でも多くの人たちに少しでも沖縄の現状を伝えたいと思い、始めたオスプレイ不安クラブだが、到底、沖縄の毎日のリアルを伝えきることなどできない。

 まるで毎日が怒濤のような総掛かりの猛攻なのだ。

 タイムス、今日の朝刊1~3面の見出しをひろっただけでもこれだけ並ぶ。 

① 新区域に土砂投入 辺野古二か所目強行

② 嘉手納に戦闘機新施設 外来機、長期駐留可能に

宮古島陸自きょう新設 警備部隊隊員380人配置

④ 県、土砂の性状に疑義 試料採取、政府に再三要請

➄ 政府説明置き去り 工事の長期化必至

普天間の危険性放置・辺野古対案・協議が必要

➆ 工期や工費 明示せず 「沖縄よりそう」姿勢なく

 まだまだある・・・。 

 三度の知事選と県民投票で圧倒的に示された民意を切り捨て、辺野古新基地建設につっぱしる安倍政権。

 辺野古だけではない、嘉手納、普天間八重山自衛隊駐屯地とミサイル基地建設・・・。 

 これで平然と「沖縄の基地負担軽減」などと口走ることのできる奴は、異常だとしかいえない。 

 本土のみなさんにまずお願いしたいのは、これほど異常な状況を沖縄に「粛々と」押し付けてくる神奈川二区の「沖縄基地負担軽減担当大臣」なる人物を、まず何とかしてほしい、ということだ。・・・・ 

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    (お勧めしたい、連携ブログシリーズ)

 

★〜沖縄戦シリーズ

http://neverforget1945.hatenablog.com/

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★~★これが沖縄の真実だ

このブログは、在日米軍基地を過重に負担させられている沖縄の現状を伝える「オスプレイ不安クラブ」が開設しました。

http://truthaboutokinawa.hatenablog.com/

 

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★~わかりやすい沖縄基地問題

もっと知っておきたい沖縄のこと

http://ospreyfuanclub.hatenadiary.jp/

 

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映画:『誰がために憲法はある』の予告紹介

                No.640(2019.3.31)

《映画・予告紹介》

4/29から全国紹介される、注目の映画です。

       『誰がために憲法はある』

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地方地域まで全国展開されないのが残念です。主要都市での順次公開予定は下記。

・(東京)ポレポレ東中野

・(神奈川)ヨコハマシネマ・ジャック&べテイ

・(大阪)第七芸術劇場

・(愛知)シネマスコーレ

・(埼玉)川越スカラ座

・(京都)京都シネマ

・(長野)長野相生座・ロキシー 

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    ★予告編は下記をクリックで。 (約2分間)

          ⇩     

https://www.facebook.com/2121904841423820/videos/430610781094652/

 

★解説 

 芸人・松元ヒロが舞台で演じ続けている1人語り「憲法くん」をベースに、日本国憲法とは何かを改めて見つめなおすドキュメンタリー。

 戦後35年目にあたる1980年、初恋の人が疎開先の広島で原爆により亡くなっていたことを知った女優の渡辺美佐子が中心メンバーとなり、ベテラン女優たちと33年にもわたり続けてきた原爆朗読劇が2019年で幕を閉じる。

 鎮魂の思いを込めて全国各地を回り公演を続けてきた女優たちのそれぞれの思いが語られるほか、日本国憲法の大切さを伝えるために日本国憲法を擬人化し、松元ヒロにより20年以上も演じ続けている1人語り「憲法くん」を、19年で87歳になる渡辺美佐子が、戦争の悲劇が二度とこの国に起こらないよう、魂を込めて演じた様子が収められている。

 監督は「止められるか、俺たちを」の脚本や、ドキュメンタリー「大地を受け継ぐ」を手がけた井上淳一

★ストーリー 

 初恋を胸に語り継いだ8月6日。

 原爆朗読劇の全国巡演を続けてきた女優陣たちが語る戦後、そして未来へ託す思いとは――

 渡辺は初恋の人を疎開先の広島の原爆で亡くしたことを戦後35年目の1980年になって知った。

 彼の死を知った渡辺は中心メンバーとなり、現在まで33年間、鎮魂の想いを込めて

ベテラン女優たちと原爆朗読劇の公演を続け全国各地を回っている。

 しかし、その朗読劇は今年で幕を閉じる。

 本作では渡辺をはじめ、女優たちがこの活動を通じて抱くそれぞれの思いを映し出す。 

 井上ひさし永六輔立川談志も絶賛した。

 日本国憲法を擬人化した一人語り「憲法くん」を演じる 名優・渡辺美佐子の鎮魂の旅。

憲法くん」とは、井上ひさし永六輔立川談志も絶賛したお笑い芸人・松元ヒロが20年以上、日本国憲法の大切さを伝えるためユーモラスに演じ続けている一人語りである。

憲法くん」はこう言う。

「わたしというのは、戦争が終わった後、こんなに恐ろしくて悲しいことは、二度とあってはならない、という思いから生まれた、理想だったのではありませんか」。

 そして、「わたしの初心、わたしの魂は、憲法の前文に書かれています」と憲法前文を一気に暗唱する。

 憲法に対する深い愛と洞察が込められたこの「憲法くん」を語るのは、「戦争を知る世代として、再び戦争の悲劇がこの国に起こらないように、この役を魂を込めて演じました」という、

 今年87歳になる名優・渡辺美佐子

 文字で読む憲法と違い、本作で朗読される日本国憲法前文は、心の奥深くに突き刺さる。

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★ (公式サイト)

http://www.tagatame-kenpou.com/

★FBでも広まっています。

https://www.facebook.com/映画誰がために憲法はある-2121904841423820/

★このウェブサイトでも

http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=90937

 

 

 

No.639(2019.3.30)教科書検定 :領土問題で 自民党政権の自己矛盾が露呈

《批判》

教科書検定で、自民党政権の(領土問題)での自己矛盾が広がっている。

(『東京新聞』2019.3.27付記事を参考に)  

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文科省は3/26、2020年度からの小学校教科書の検定結果を公表した。

(5,6年生で英語が正式な教科となり、初めての教科書ができる。)

このことは別途批判したい。

今回は、社会科について。

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2020年度から使用される小学校五、六年生用「社会」のすべての教科書に、北方領土尖閣諸島竹島について日本の「固有の領土」と明記された。

これは、2017年告示の新学習指導要領に沿ったもの。

一方で安倍政権は、北方領土については、ロシアとの交渉に行き詰まり、昨年以降、「固有」という表現を微妙に避けている。

ここに、安倍政権自らがもたらす自己矛盾が現れている。

・新指導要領には、中韓両国と争う尖閣諸島竹島と併せて北方領土についても小学校では初めて「わが国固有の領土であることに触れること」という明記された。それに従い、現行教科書でも多くの出版社が自主的に「固有の領土」という表現しているが要領改訂で法的拘束力が生まれ、記述が義務になった。

ところが現実の国会や記者会見では、北方領土の交渉が難航し、浮つく中で「固有」の表現を微妙に出さなくなっているのだ。

国会答弁で、北方領土を「固有の領土か」と姿勢をただされる質問に対し、政府は、「ロシア政府との今後の交渉に支障を来す恐れがあることから、答えを差し控えたい」と及び腰に転じている。この答弁は閣議決定に基づいている

そこで、上記の教科書検定表記との整合性が付かなくなった

・そもそも、領土問題の教科書記述を共用してきたのは安倍政権であり、第一次政権時の2006年に、最悪の教科書基本法改定、「愛国心」を目標に盛り込んだのが始まり。

・第二次政権の2014年、学習指導要領を補う「解説」を中高で改訂し、三つの領土問題の明記を定めた。同時に、教科書検定基準も変え、通説のない近現代史を扱う際は「政府の統一見解に基づいた記述」を強要し始めた。

北方領土は、1989年から中学のみ指導要領に「固有」と記載されたが、尖閣諸島竹島を巡る安倍政権の強硬路線に引っ張られる形で、小学校~高校に一気に義務化が進んだ。

  ⇩

・教科書表記は不変ではないが、研究や発掘に基づいた客観性が命である。

 時の政権の対外政策上の都合や考えで基準を自在に変えることはあってはならないというのが鉄則ではないか。

・領土問題で、自国の時々の政治的立場で子どもに他国への敵対心や排外心を植え付けることは最悪の教育だ。

安倍政権の進める、米国との位置関係を最重点に設定し、それを教育に持ち込むことは決して許してはならない。それは過去の戦争への道筋をそのままたどることにつながるからだ。

 

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No.638(2019.3.29)知らないうちに進められる、原発再処理費用の電気料金への転嫁

《批判 ・糾弾》

       原発:未計画核燃事業を料金転嫁 

       関電、第2再処理工場分

東京新聞』3/26付記事に、下段のようにあった。

理不尽を通り越した、国民をナメ切った話で、辺野古で再開されつつある「新区域」への土砂投入予定と同様聞く耳持たないアベ政治の小汚い愚民政治の典型ではないか!

 できてもいない、しかも断じて許せない青森県六ケ所村に計画中の使用済み核燃料の再処理工場の事業費に加え、何と、いまだ具体化できない他のMOX燃料の再処理工場費用まで、既に電気料金に転嫁し始めたというではないか!

 ”詐欺”を通り越した犯罪行為に他ならない! 国民の多くがまだ知らないうちに事は進みつつある。

 断じて許さない。

 

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(記事内容)

原発の使用済み核燃料を再利用する再処理費用を巡り、関西電力が、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の事業費に加え、具体的な計画がないプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を扱う別の再処理工場の費用も、電気料金へ転嫁し始めたことが分かった。

 九州電力も近く転嫁を始め、他の大手電力も追随する見込みだ。関電と九電は転嫁する際、こうした事実や負担額を消費者に説明していない。

 未計画分の総事業費は過去の試算で十二兆円近くに上り、六ケ所分の計約十六兆円と併せて各電力の消費者が負担する形になる。

 関電と九電は「二〇一六年の制度改正で、現時点で具体的な再処理計画を有さない使用済み燃料も含めて全ての費用を料金原価に含めることができるようになっている」とコメントした。

 未計画分は六ケ所村の工場の処理量を上回る使用済み燃料や、同工場では扱えない使用済みMOX燃料を再処理する想定で「第二再処理工場」と呼ばれる。〇〇年代に構想が浮上し、〇七年に事業費の試算を十一兆七千億円と公表したが、計画は白紙のままだ。

 共同通信の取材に対し、関電は六ケ所分と第二工場分の費用について年約五百九十六億円、九電は約五百十二億円を料金算定の基礎になる原価に織り込んだと回答した。六ケ所分だけだった過去三年の平均は関電が約三百三十七億円、九電が約百八十二億円で、一概に比較はできないが、額は多くなっている。

 消費者の負担は月額にすると少ないが、極めて長期間支払いが続くことになる。

 関電は一七、一八年の料金値下げの際に費用を盛り込んだ。九電も四月の値下げで転嫁する。他の電力会社も料金改定のタイミングで実施する構え。

 再処理工場は原発で使った核燃料からプルトニウムなどを取り出す。

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