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No.730(2019.7.28)孫埼享氏の論説(領土問題)評価

孫埼享氏の一貫した下記論説は、歴史認識として正しいと考えます。 

                  

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(2019.7.25付ウェブサイトより引用)

中国政府は24日、国防白書「新時代の中国国防」を発表。中国の国防白書発表は2015年5月以来4年ぶり。「南シナ海と釣魚島(沖縄県尖閣諸島)は中国固有の領土だ」と明記。 米国領有権問題日中のいずれの立場も取らない。紛争避けるため日本管轄で棚上げ合意。


(webで読む : https://ch.nicovideo.jp/article/ar1791416 アプリで読む : https://ch.nicovideo.jp/ch1332/app?from=blomaga_mail&ref=share

 

A:事実関係

中国政府は24日、国防白書「新時代の中国国防」を発表。

中国の国防白書発表は2015年5月以来4年ぶり。

南シナ海と釣魚島(沖縄県尖閣諸島)は中国固有の領土だ」と明記。(毎日新聞

 

B:評価  

日中双方とも、尖閣諸島について、自己の領土であると主張。

:まず、ポツダム宣言を見てみたい。  八 カイロ宣言ノ條項ハ履行セラルベク又日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ

カイロ宣言 「右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ」

:連合国最高司令部訓令第677号(scapin677) 日本と言う場合は次の定義による。 日本の範囲に含まれる地域として 日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼 日本の範囲から除かれる地域として (a)欝陵島、竹島済州島。(b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。(c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。 この指令中の条項は何れも、ポツダム宣言の第8条にある小島嶼の最終的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない。

:米国の立場 2004年3月24日Ereli国務省副報道官の説明。 ・1972年の沖縄返還以来、尖閣列島は日本の管轄権の下にある。1960年安保条約第五条は日本の管轄地に適用されると述べており従って第五条は尖閣列島に適用される。 ・尖閣の主権は係争中である。米国は最終的な主権問題に立場をとらない。

 尖閣諸島棚上げの経緯

(1) 日中国交回復時 尖閣諸島を巡る日中間の協議は1972年田中総理が中国を訪問し、日中国交回復を行った時から始まる。

中国側は「両国の指導者は、中日友好の大局を配慮することから出発して、釣魚島主権の帰属問題を一時棚上げにし、子孫に残して解決させることに一致合意した」と述べている。

他方日本側は最近、棚上げの合意はないと主張している。  

田中総理・周恩来総理会談記録(日本政治・国際関係データベース、東京大学東洋文化研究所)は次のように記している。

周恩来):日中は大同を求め小異を克服すべきである。 (田中)大筋において周総理の話はよく理解できる。具体的問題については小異を捨てて、大同につくという周総理の考えに同調する。 (田中):尖閣諸島についてどう思うか?私のところに、いろいろ言ってくる人がいる。 (周恩来):尖閣諸島問題については、今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。石油が出るから、これが問題になった。石油が出なければ、台湾も米国も問題にしない。  

周恩来総理は今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。と述べている。

実質的には尖閣諸島の棚上げを提案したと言ってよい。

 

(参考文献)

 

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