一見有利な食品だけれど
今年に入り、ゲノム編集という遺伝子操作技術が注目を集めています。
1つには、ゲ ノム編集により遺伝子を操作された動植物及びその加工品が安全審査もなされずに食 品として販売されようとしていること、もう一つには、難病治療を理由として受精卵 がゲノム編集で操作され、その受精卵を子宮に戻すことで子どもが誕生したという衝 撃的な事実です。
ゲノム編集技術は、従来あった遺伝子組換え技術と、その本質にお いて変わるところはないにもかかわらず、あたかも全く違う新たな技術であるかのよ うな宣伝がマスコミなどを通じて大々的に行われ、その利用推進が強引に押し通され ようとしています。
(異様にでかいクローン鯛) (異様に肥えたクローン牛)
日刊ゲンダイ デジタル より(2019.4.3付)
「今夏にも流通“野放し”「ゲノム編集食品」日本での安全性は
安全かどうか、誰も分からないゲノム編集食品が、知らないうちに口に――。今夏からそんな事態になりかねない。表示義務のある遺伝子組み換え食品と異なり、ゲノム編集食品を示す表示が全くされない可能性があるのだ。
ゲノム編集は遺伝子組み換えのように「魚の遺伝子をトマトに」など、異種の遺伝子を組み込むことも技術的には可能だが、食品の品種改良では、遺伝子の一部を壊すことで新たな特性を持たせる使われ方が主流だ。筋肉ムキムキのマダイや血圧を下げるトマトなどの研究が進んでいる。
厚労省の専門部会は3月18日、異種の遺伝子を導入せず、遺伝子を切断する手法を使ったゲノム編集食品について、厳格な安全性審査を求めず、届け出で販売できるとする報告書をまとめた。今夏にも運用を始め、ゲノム編集食品が流通する見通しだ。
生態系への影響をケアする環境省は、すでに情報提供を求めるだけのザル規制を決めている。食の安全を担当する厚労省の届け出もほとんど規制とはいえない。欧州では、ゲノム編集食品も、遺伝子組み換え食品並みの規制をする方向だが、日本は疑わしきは“野放し”なのだ。
■消費者庁に聞くと…
流通目前、消費者庁で検討されているのが表示だ。環境省と厚労省が野放ししても、表示されていれば、消費者は買わない選択ができる。
表示は、①食品表示基準のルールに乗せて義務化②同、任意③ルールに乗せず運用で規制④表示しない、が考えられる。「表示義務化へ」との報道も一部あった。消費者庁に聞いた。
「食品表示基準のルールに乗せるかも含めて、全く検討段階です」(食品表示企画課)
表示ナシの可能性も否定しなかったのだ。
「ゲノム編集食品を普及させたい国内外の産業界は、断固表示してほしくない。安価であっても、日本の消費者は未知の食品への警戒心が強く、表示があると売れなくなるからです。せっかく、環境省と厚労省が産業界の思惑通り、緩くしたのに、表示されたのでは元も子もない。相当なプレッシャーの中、消費者庁の検討は難しいものになるでしょう。任意や、表示ナシの可能性も十分あり得ます」(経済誌記者)
東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。
「異種の遺伝子を導入しないゲノム編集食品は、編集の形跡が残りません。本来、厚労省がしっかり規制をして、安全性を継続的に検証する必要がありますが、表示は最低限の規制です。表示がされていれば、ゲノム編集食品を食べてこうなったと、何とか推測はできるからです。表示までが任意や、なくていいことになると、目に見えない形で、未知の技術が普及していくことになります。何か起こっても検証すらできず、責任も問えないことになります」
正体を隠蔽して、消費者を実験台にするつもりか――。消費者庁には、国民の“熱視線”が必要だ。」
(注)本ブログでは、以前、この「遺伝子編集」の危険性について、下記でも詳しく調
べて載せてみました。
No.625(2019.3.16)”遺伝子ゲノム編集”(GE) 批判 (シリーズその2)
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