《批判》
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配布するかの対応は各学校で様々であったが、大阪市教委は1 月28 日付で生徒への配布を指示した。
改定前の「放射線副読本」より内容は悪くなっている。
「副読本」は、福島原発事故による放射能被害はなく、周辺地域が安全であるかのように教え、「避難者や避難した子どもへのいじめを無くす」どころか、いじめを助長しかねない、そして、政府の「避難指示解除・住宅支援等の打ち切り」と原発再稼働政策を進めるためのものである。
(「子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会」の資料を参考に)
「副読本」には「検査を受けた全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかった」と書かれている。
この主張には全く根拠はない。
福島県の甲状腺がん調査(事故時18歳以下)検討委の発表で、悪性ないし悪性疑いの判定数が207人(対象者約38 万人)になっている。加えて集計漏れで甲状腺がん摘出手術をした人が11人、福島県外でも40人以上の小児甲状腺がん患者が確認されている。
原発事故後、日本政府は子どもの被ばく線量の測定を殆んどしていません。
事故2週間後に30㌔圏外の子ども1080人の測定だけで、被ばく量が少ないと断言してきました。
事故直後の11歳の少女が100mSvの内部被ばくしたのも伏せられていました。
「健康に影響が及ぶ数値ではなかった」という説明は虚偽であり、あまりにも無責任である。
「副読本」は「風評被害をあおる」と脅して黙らせる
「副読本」には、「根拠のない思い込みから生ずる風評によって、農業や漁業、観光業などに大きな被害がありました。間違った差別・いじめも起こりました」と書かれている。
いじめや差別は、政府の放射能拡散の放置と被害者分断政策にその原因がある。
加害者である東電が被害の有無を認定し、原発事故被害者への賠償額を決めてきた。
安倍首相は「汚染水はコントロールされている」と大嘘をついてオリンピックを誘致し、「権威ある医師」は「大丈夫だ、病は気からだ」と被ばくを我慢させてきた。
国や東電が責任を持って被害者救済をせず、被害者の声を聴こうとしないことが、人々を分断し、疑心暗鬼にさせいじめや差別を生んでいるのである。
「復興」を強調し、帰還できない事実を隠す
「副読本」では、「除染などにより、放射線量が下がってきた地域では、避難指示の解除が進められ、医療機関や商業施設などの日常生活を送るための環境整備や学校の再開等復興に向けた取組が着実に進められています。」と記述する。
国は、除染を終了したとして避難指示解除を進めている。
福島では空間線量が年20mSv 以下になれば住宅支援も賠償も打ち切られ、帰還を強いられている。ところが、国の放射線管理区域は年5.2mSv 以下であり、一般公衆の被ばく限度は年1mSv である。
「副読本」は、「復興」を強調することによって、汚染と危険の続いている現実を隠している。
「副読本」は内部被ばくの危険性を説明していない
「副読本」には「1mSv の外部被ばくと1mSv の内部被ばくの影響の大きさは同等」と書かれ、内部被ばくの危険性が隠されている。