佐藤優 氏 の新聞論評への一定の評価)
今日は、3.11フクシマ原発事故の8周年なので、多くのコメントが他にもあるので、下記について書きます。
『東京新聞』の「本音のコラム」欄はいつも注意して読んでいます。
私は、ここでの山口二郎氏の論評は毎回、大抵全面的に賛同しています。
一方、佐藤優氏のコラムには、自分の判断基準からすると時には、???もありますので、注意して読ませてもらっています。
しかし、この日(2019.3.8)のものは、腑に落ちるところ大で、参考になりました。
下記にその全文を紹介します。(『東京新聞』紙には無断転載。)
「ハノイ米朝首脳会談 (佐藤優 : 作家・元外務省主任分析官)
二月二十七、二十八日にベトナムの首都ハノイで行われた米朝首脳会談について、多くの新聞が「決裂した」と報じたが、違和感を覚える。
確かに二十八日に両首脳が署名する予定になっていた共同文書は見送られた。しかし、そのことは本質的問題ではない。
重要なのは、米朝の武力衝突が起きないという意思を、トランプ大統領と金正恩・朝鮮労働党委員長が確認したことだ。
2017年末には、多くの国際政治や軍事の専門家が、近未来に米軍が北朝鮮を攻撃する可能性があると述べていた。
もし、朝鮮半島で火ぶたが切られていたならば、日本も確実に巻き込まれていた。
日本は朝鮮国連軍と地位協定を結んでおり、有事になればホワイトビーチ、普天間、嘉手納、佐世保、横須賀、座間、横田の各基地を米軍を主体とする朝鮮国連軍に提供することを約束しているからだ。
北朝鮮に対する攻撃が在日米軍基地からなされるならば、当然、北朝鮮は弾道ミサイルなどで日本を攻撃してきたであろう。
ハノイ米朝首脳会談後も朝鮮半島に危機的状況は生じていない。米朝関係が既に質的に改善したのである。
脅威は意志と能力によって構成される。北朝鮮と米国の攻撃的意思が脱構築されつつある。
トランプ、金正恩両氏の平和構築に向けた努力を過小評価すべきでない。」
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※(私の評価)
上記の論説を、”お花畑”と揶揄する好戦的論調は大いにあると思う。
しかし、一時のアベ政権が掻き立ててきた、「北朝鮮 ミサイル緊急アラーム」なるものはどこに姿を隠したか?
日本の為政者(安倍政権)は、緊張緩和と戦争回避にどれだけ貢献してきたか?
危機をあおり、トランプ政権の好戦的勢力に単純追随し、(政治的思惑で)拉致問題を一応お願いしてきたにすぎないではないか!
無論、戦争(可能性)の一番の当事者の一存のみでは事態は進められない。
口先だけの(平和への貢献)で、(戦争準備による防衛費・装備強化による産軍共同体の底なしの再編)を実行しているのみで、その分、国民の諸権利(『憲法第十二、十三条』等の規定が日毎に蝕まれている。
(参考)
第十二条【自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止】この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第十三条【個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉】すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。